催眠をかけたい相手に対して、いきなり「さぁ、これから催眠をかけます」と言っても、絶対に催眠はかかりません。
催眠をかけるには、段階を踏む必要があります。
その段階とは、①「興味」→②「信頼」→③「誘導」→④「暗示」、そして⑤「解除」です。
あえていうなら、このパターンを踏めば必ず催眠はかかります。これまで催眠の原理原則をお伝えしてきました。催眠は魔術でも魔法でもトリックでもなく、科学的にのっとた現象だと自覚できたことでしょう。
それではこれまでの知識を目一杯活用して、催眠術のかけ方をマスターしましょう。
興味
催眠は拒否できます。その人が催眠にかかりたくないと思えば絶対にかかりません。それゆえに催眠をかけるときは、催眠にかかってもいいと相手に思わせる必要があります。
そのためにはまず催眠に興味を持ってもらうことです。
では、どうやったら興味を持ってもらうことができるのでしょうか。 私はキャバクラなどに行ったとき、同席した女の子に催眠をかけようとするなら、まず「催眠ってサ、肩こりとか冷え性とかも楽になるし、ダイエットにも効果があるんだよ」というようことを言います。
そうすると、ほとんどの女の子が身を乗り出してきます。なぜならほとんどの女の子が肩こりや冷え性に悩んでおり、ダイエットしたいなと思っているからです。
じつは催眠を使って肩こりや冷え性を改善することは可能です。直接そのような暗示を与えなくても、催眠によって副交感神経が刺激され、結果として冷え性などが改善される人が多いことは事実です。
ただ、ダイエットに関しては、高度な技術を必要とするので、今回は説明を省かせて下さい。要は、まず女の子に「催眠ってそんなこともできるんだ!」と興味を持ってもらうということです。
ですから、いきなり催眠の話題から入らずに、「最近、悩んでいることない?」と、悩みを聞き出すことでもいいかもしれません。「最近、肩こりが激しくて」とか「最近、眠れなくて」などという答えが返ってきたら、しめたもの。
催眠を使えばそれらの悩みが解消できるという話を切り出せば、相手は興味を抱いてくれるはずです。
また、催眠はとっても気持ちいいものだということを説明してあげてもいいかもしれません。催眠状態になるとドーパミンなどの脳内麻薬が分泌されて、セックスより20倍も気持ちよくなれます。
このことを話題に乗せると、女の子は興味を持ってきます。なぜなら女の子は基本的に気持ちのいいことが大好きだからです。
「催眠って面白そう」と思わせることができたら「催眠にかかってもいい」と思うのは当然の流れでしょう。 もちろん、そうはいっても、女の子の中には「催眠なんかインチキだ」と思う子もいます。
「テレビでたまに催眠術の番組を見るけど、あれってヤラセなんでしょ」と言う子もいます。そんなときは、「そんなことはない。催眠は絶対にかかる!」などと力んで反論したのでは逆効果です。
そうではなくて、「そうか、そう思うんなら、残念だな。せっかく肩こりが楽になるチャンスだったのに」とか「そうか、催眠をかけられるチャンスなんて滅多にないのに残念」というふうに、いかにも残念だという素振りを見せます。
その方が相手は食いついてきます。人間とは不思議なもので、こちらが押せば相手は引くし、こちらが引けば相手は押してきます。その心理を利用するのです。
また、合コンなどのように女の子が複数いた場合、「俺、催眠をかけられるんだ」と言うと、必ず一人ぐらいは「かけて、かけて!」と言ってきます。
女の子は占いなどの不思議が大好きなので、最初から催眠に興味を持っている子は必ずといっていいほどいるものです。
そんなときは、たとえ他の子が催眠に興味を示さなくても、その子だけに催眠をかけていきます。実際に目の前で催眠をかけられている様子を見れば、他の子も必ず興味を抱いてくるからです。
狙った女の子が催眠に興味を示さなくても、わざと他の女の子に催眠をかけることで、興味を引かせる、そういうテクニックです。
しかし、こちらがどんなことを言おうと催眠に興味を持たない子がいたとしたら、そのときは、さっさとあきらめて下さい。催眠に興味を持たない子は催眠を拒否していることと同じですから、どんなプロでもかけることができません。時間の無駄です。
催眠とは、こちらから「かけさせてください」とお願いするものではなく、あくまでも向こうの方から「かけてください」と言わせること。そうでなくては催眠はかけることができないと肝に銘じましょう。そのための興味付けなのです。