テレビや舞台などで行われている催眠術師のショーや、催眠術のセミナーなどでよく見かける光景に、初対面の相手に瞬間的に催眠術をかけてしまうといったものがあります。
では、実際に面識のない相手に会った瞬間にいきなり催眠術をかけることが本当に可能なのでしょうか。
瞬間催眠とは
厳密に定義するならば、瞬間催眠とは「催眠術にかかったことのない初対面の相手に対し、一瞬で催眠術にかけること」となるかと思います。
ちょっとショッキングなことを言うと、実は瞬間催眠の多くはこの条件を満たせないことが多いです。なぜなら、上記の定義を忠実に守るのであれば、実現する可能性は大変低いものとなるからです。
瞬間催眠は本当に出来る?
まず、催眠に関して言えば、全ての人間を催眠状態にすることは可能です。しかし、催眠にかかりやすい人とかかりにくい人がいるのも事実です。
また、一度催眠状態を経験したことのある人は、比較的簡単に催眠状態に入ることが出来ますが、経験したことのない人は催眠状態に入りにくい傾向にあります。
仮に、催眠をかける相手が催眠を体験したことがなく、かつ催眠にかかりにくい人だった場合、初対面でいきなり瞬間催眠にかける、というのはほぼ不可能だと言えるでしょう。
また、催眠をかける上で、両者の認識(かける側とかけられる側の意識)を合わせることと、お互いの信頼関係が非常に重要になります。
しかし、初対面の何の面識もない相手では、これらの認識の共有や信頼関係が存在しない状態から催眠をかけることになります。
この観点においても、初対面の相手に瞬間催眠をかけることは非常に困難だと言うことができます。
このようなことから、厳密には瞬間催眠を行うことは100%可能と言うことができません。
瞬間催眠をかける4つのトリック
それでは、なぜテレビや舞台、セミナーなどでは瞬間催眠をかけることが出来るのでしょうか?そこには、必然的にそうなるよう仕掛けた、下準備(トリック)があるのです。
先ほど瞬間催眠を「催眠術にかかったことのない初対面の相手に対し、一瞬で催眠術にかけること」と定義しましたが、この条件をいくつか変更することで、瞬間催眠をかけられる確率を上げることが出来ます。
そういった、瞬間催眠の確率を上げるテクニックをいくつか紹介しましょう。
催眠にかかったことがある人、以前にかけたことがある相手にかける
先にも少し触れましたが、一度催眠状態を経験したことがある人は催眠状態に入りやすい傾向があります。
そこで「催眠術にかかったことのない」という条件を外し、催眠術にかかったことのある人を対象にすることで、瞬間催眠を可能にすることができます。
また、以前同じ相手に催眠術をかけられたことがあれば、お互いの認識や信頼関係も出来ているためより確率は上がります。
「初対面の相手に」という条件を外し、一度かけた相手を対象にすることで、より有利な条件で行うことができます。
催眠にかかりやすい相手を選ぶ
こちらも先ほど触れた内容になりますが、催眠にはかかりやすい人とかかりにくい人がいます。
そこで、事前に催眠にかかりやすい人を選択しておくという方法が有効になります。
催眠が成功しやすくなるよう、下準備をしておく
これはいろいろなアプローチ方法がありますが、ショーやセミナーの前に、準備として、かける相手を催眠にかかりやすい状態にしておくということです。
たとえば、催眠を経験している人ならば、それを思い出して追体験させておいたり、それを連想するように誘導しておくといったことができます。
他にも、事前に接触して信頼関係を築いておく、これからショーで催眠術をかけられるということを強く意識させておくなどしておくことで、相互の認識共有や信頼関係を補完しておくことができます。
セミナーなどであれば、受講者は当然講師のことを知っており、その講師が有名な人物であれば、受講者は初対面であっても講師のことを信頼している可能性が高いため、こういったことも相互の認識共有や信頼関係の補完になると考えられます。
一見して催眠術に見える現象を催眠術と思い込ませる
これはちょっと反則技になってしまいますが、実際に相手を催眠状態にすることが出来なくても、心理テクニックによって相手の心理を誘導したり、本人は不思議と感じるような体験をさせることで、催眠術にかけられたと錯覚させることができます。
実際に催眠状態に入らなくても、かけられた本人やそれを見ている人たちに催眠だと認識させることが出来れば、成功したと言えます。
まとめ
いくつか例を挙げてきましたが、条件付きであれば人に瞬間的な催眠をかける(またはそのように見せる)ことは可能です。
しかし、そのためにはその瞬間だけでなく、その前の時点で催眠をかけるための準備(トリック)が必要になるのです。

一番の本命は人の為になる事を目的ですが、ショウで演じて人を楽しませる事も出来れば本望ですが、プロ的になるには最低3~5年程必要に思えますが(演じる回数)にも大きく作用するでしょうね、其れを覚える事は大いに楽しいですね。