24時間営業のコンビニやレストランが増え、日本人の生活リズムは大きく変化しました。終電まで仕事をしても、24時間営業のレストランで食事ができる。昼間買い物ができなくても、コンビニで困りません。
便利な世の中になった。そう感じる反面、人間の身体への負担も増えたかもしれません。
朝、太陽の光と共に活動を開始し、日暮れとともに家路につく。良質の睡眠をタップリとり朝はまた太陽の光を感じ、動き出す。
以前の社会ではこのような生活が一般的でした。
ただ、近年では時間に追われる忙しい日々の中で、太陽と共に、なんていう生活は無理!という方も多いのではないでしょうか。
人間の身体は昼間活動し、夜休むことで体のバランスを取っています。そのカギとなっているのが、脳内物質の「セロトニン」です。
私たちの身体の中で生産され、心と体の健康を維持してくれる重要な物質です。
今回はこの「セロトニン」に注目してみましょう。セロトニンを増やして、心も体も健康を目指す!これで病院代や薬代にお金を使う必要はなくなるかも!?
セロトニンとセロトニン神経
まずは、この「セロトニン」について見てみましょう。セロトニンは脳の神経細胞間で情報を伝達する「脳内物質」の一つです。
脳内物質は50種類以上あるといわれていますが、その中でも特に重要な三大神経伝達物質と言われているのが、ドーパミン、ノルアドレナリン、そして、セロトニンなのです。
神経伝達物質は「人の感情や精神面、記憶や運動機能、睡眠といった、人体の重要な機能に深く影響を与えている」と言われています。
それぞれの脳内物質を伝達する神経細胞があり、ドーパミンを伝達するドーパミン神経、ノルアドレナリンを伝達するノルアドレナリン神経というように呼び、セロトニン神経は同様にセロトニンを伝達する神経細胞のことを指します。
脳内物質にはそれぞれ特徴がありますが、この「セロトニン」の大きな特徴は精神を安定させるということ。咀嚼や呼吸、歩行といった反復する運動機能にも関係していると言われています。
近年の研究によって、このセロトニンが不足することによるうつ症状やパニック状態、精神が不安定になることが分かってきました。
セロトニンを増やす3つのキーワード
足りないと困る私たちの精神安定剤「セロトニン」-。
不足を補うにはどうしたらいいのでしょうか。「体内での生産が難しければ、外から摂取すればいい」、そう考える事でしょう。もちろん、サプリメントでの摂取も可能です。
しかし、セロトニンを分泌させることはそこまで難しいことではありません。しかも、もともと私たちの身体が自動的に作り出していたもの。自分で作り出せるのであれば、それを利用するほうが手っ取り早いでしょう。
セロトニンを増やす簡単な3つの方法はこれ!
- 太陽の光を浴びる
- 良質な呼吸法
- セロトニンを増やす食べ物
とってもシンプルです。
一つ目『太陽の光を浴びる』
最初に挙げたように、現代人の生活は夜型になりがち。しかし、動物としての人間の本来の生活リズムは、太陽の光と共に活動し、暗くなれば活動を休め、睡眠をとるというもの。
人間本来の生活リズムが身体や心によいことは簡単に想像がつくことでしょう。
太陽の光がセロトニンを分泌させるのは、目の網膜が光を感知することで、セロトニン神経が活性化されるからです。
光を感知し、活動時間が始まったところを理解した脳は、セロトニンを分泌させ、1日の活動に備えます。
これは単に光を浴びればよい、ということではなく、太陽の光のような強い光が関係するのです。つまり、夜型の生活でも部屋を明るくしていればよい、ということではないのです。
室内の蛍光灯の光は、どんなに明るくとも太陽の日差しの100分の1ほど。これではセロトニン神経は活性化できません。
朝、起きたらカーテンを開けて光を浴びる。会社や学校に行くときなど適度な太陽の日差しを浴びることで、簡単にセロトニンの分泌を促すことができるのです。
2つ目、『良質な呼吸法』
私たちが日々無意識の行っている「呼吸」。運動をしたり、ストレスを感じたり、逆にリラックスしたり、気持ちが落ち着いているときなど、その都度呼吸は変化しています。
体内の酸素と二酸化炭素の循環に不可欠な呼吸―。その呼吸が良質なものになることで、セロトニンを増やすこともできるのです。ではどんな呼吸が良質なのでしょうか。
それは「腹筋呼吸」だと言われています。その代表的な例が「坐禅の呼吸」。足を組んで腹筋を収縮させ、息を吐くこと意識する呼吸です。
無意識に行っている胸式の浅い呼吸ではなく、意識的に腹筋を使う呼吸法です。これは大脳の働きも活性化させ、自律神経の働きもよくするということが科学的に証明されています。
私たちが日々無意識にしている呼吸は、空気を取り込むことに重点が置かれています。
脳から「吸え」と指示を受け、空気を吸っていますが、大脳皮質が「吐け」と指令を出す意識的な腹筋呼吸がセロトニン神経を活性化させることが分かっています。意識的な腹式呼吸によってセロトニンが増え、結果として精神を安定させることへと繋がるのです。
3つ目『セロトニンを増やす食べ物』
良薬口に苦しという言葉を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、実は割と身近で、美味しい食材に、セロトニンを増やす食べ物があるのです。
例えば、バナナ、納豆、チーズ、鰹節、豆乳など。豆製品や乳製品がセロトニンを増やす効果があると言われています。
セロトニンの合成の材料は、必須アミノ酸のトリプトファンです。必須アミノ酸とは人間の身体をつくる20種類のアミノ酸の中の体内で合成できない9種類のアミノ酸のこと。
その一つがトリプトファンです。体内でできないので、食べ物から取る必要があるのです。先に挙げた豆製品や乳製品には、このトリプトファンが含まれているのです。しかし、実は多くの食べ物にトリプトファンは含まれています。
つまり、普通に食事をしていれば、トリプトファンを体内に取り入れることができ、結果セロトニンを増やしているのです。
重要なことは「普通に食事をしていれば」という点。夜型生活の人が多いように、食事がおろそかになっている人も多いでしょう。
お菓子や飲み物だけでは十分な栄養は取れません。さらに、不足分をサプリメントで補うことはもっと危険です。
食品では多少取りすぎても自然に排出されますが、サプリメントの過剰摂取の場合は発熱や痙攣などの副作用がでる場合もあります。リスクを考えれば、答えは明確-。やっぱり人間本来の生活リズムに少しでもシフトしていくべきなのかもしれません。
まとめ
病院や薬、高いサプリメントにお金や時間を使うのではなく、私たち人間は自らこの「セロトニン」作り出せる仕組みを持っています・
副作用の心配のない精神安定剤であり、私たちの身体と心を健康にしてくれる万能薬。
毎日の生活をちょっと意識し、変化させることで、セロトニンは簡単に増やすことができます。自分の生活をコントロールして、自分自身の身体を味方にできたらもう怖いものナシ!