一度壊れてしまった関係を修復しようとするときは、勇気と決心がいります。そのため、潜在意識が知らないうちに結果を悪くすることがあります。
潜在意識は化学的に体と思考に影響を及ぼし、相手の潜在意識に言外のシグナルを送るからです。では、どうしたら良いでしょうか。
ここでは、潜在意識が態度や行動に影響するメカニズムを見ながら、潜在意識をを良い方向に働かせて復縁を成功させる方法をご紹介します。
「絶対に」の信念が恐れを生む
いったん別れた相手との復縁は、とてもエネルギーのいることです。関係が壊れたことで、程度の差はあれ心に傷を負っているからです。
ですから復縁に向けて行動に出るときには、強い決心が伴っていて当然です。しかし、そのために「絶対に復縁したい」という凝り固まった信念が潜在意識にできやすくなります。
これは決意の固さの表れですが、同時にあなたの潜在意識が望ましくない反応をするきっかけになります。
というのは、「絶対に」と厳しく定義することで、脳内にうまくいかないことに対する恐れのイメージができてしまうからです。
こうなると潜在意識のなかでは、復縁したい相手はあなたの感情を傷つけうる脅威となり、あなたは恐れを感じる緊張状態におかれることになります。
人間に限らず、動物は脅威を感じるとそこから逃げ出せるように体の状態を変えます。
この反応は「闘争か逃走か」という言葉で知られるもので、もし直面する危険がトラやライオンならば適切な反応です。しかし人間関係でこの反応が生じると、しばしば関係がうまくいかなくなります。
潜在意識は、脅威を感じると自動的に防御スイッチをいれます。すると体が「闘争か逃走か」の状態になり、脳にプログラムされた防衛システムを発動させます。
ストレスホルモンのコルチゾールが放出され、あなたの体を生理学的に変えてしまうのです。するとあなたは相手と話をする前から、不安や拒絶、傷心、落胆などを何度も経験してしまいます。脳内で、そして体でもです。
こうなるとあなたが話すときの態度は、すでに相手の拒絶を経験したかのような恨みがましいものになってしまいます。
言葉を発する前から、非言語コミュニケーション――呼吸、顔の筋肉、目、体勢、声など――が、あなたが警戒中だというシグナルを出し、相手の潜在意識はそれを拾います。
この警戒は、相手からは一種の「攻撃」シグナルと解釈されます。そして彼／彼女の体でも防御システムが発動し、警戒モードになります。つまり話をする前から潜在意識が対立してしまうのです。
この状態で話せば、会話はあなたがあらかじめ「経験」したとおり、拒絶に向かう言い合いにおちいりやすくなってしまいます。話の内容は関係ありません。これは潜在意識の相互作用なのです。
潜在意識を変えるには
あなたの潜在意識が「相手は自分の感情を傷つけうる脅威」とイメージしたまま問題にアプローチすれば、あなたは恐怖と共鳴します。では、代わりにどうすればいいでしょうか？
想像力を使い、できるだけ良い感情をキープする
潜在意識は思考に影響に、思考は血中にホルモンを放出し、脳のニューロンを発火させ、心と体の状態を変えてしまいます。
体の細胞は思考に反応するのですから、あなたが本当だと信じたことは体にとっての真実です。潜在意識は、なにが現実でなにがあなたの想像かを区別できないからです。ですからこうしましょう。
自分と相手について、想像力を使ってできるかぎり良い感情をキープする
良い関係を築きたいなら、そうなったあとの状態を毎日短時間ずつ脳内でリハーサルする
想像したものは、潜在意識にとっては経験です。すでに起こっているかのように、すべての感覚を動因して感じてください。
顕在意識で潜在意識を統御する
潜在意識に持ち続けている思い込みが恐れのスイッチをいれると、その連鎖が続いてしまいます。それを防ぐためにこうしましょう。
潜在意識にある思い込みを探り、顕在意識の光にさらす
冷静な目で見ると、事実とかけ離れた思い込みもあるかもしれません。意識できると手放しやすくなります。
自分が生み出す結果に100%の責任を持つと決心する
受身の思考でなく自分が責任を持つと決心することは、潜在意識が「自分ではどうしようもないこと」をえんえんと考え続けるのを防ぎます。
潜在意識は自動的に働き、あなたの思い込みを置き換えることはできません。
それは顕在意識の仕事なのです。潜在意識を顕在意識でうまく統御することで、潜在意識は誤作動する警報システムから願い事をかなえてくれる味方に変わります。
言葉の使い方を改善する
大事なのは復縁時だけではなく、そのあと良い関係を作ることです。言葉は感情を呼び起こし、自分や相手の心と体をかき乱すこともできれば、落ち着かせることもできます。以下のことを意識しましょう。
不平や皮肉をやめ、はっきりした明るいお願いに言い換える
恋人が夫婦によくある間違いは、わかりやすい「お願い」をせず、不平や皮肉を言ってしまうことです。ほとんどの不平と皮肉は、じつは言い方を変えた「お願い」にすぎないのです。
「言わなくともわかってほしい」というのもよくある間違いです。「こうしてくれたら嬉しい」という気持ちで、わかりやすく、明るく伝えましょう。
感情的になりやすいときは、話す前にあなたの望みを書き出してみましょう。明確で簡潔な、誤解の生じない会話をする助けになります。
有無を言わさぬ言い方をやめる
「絶対に」という凝り固まった思い込みから来る潜在意識の望ましくない連鎖を防ぐために、口に出す言葉だけでなく、自分の脳内会話でも使う言葉に気をつけましょう。
「こうしなきゃいけない」「相手はこうするのが当たり前だ」ではなく、「がいいと思う」「してくれたら嬉しい」などに言い換えることです。
目を閉じて、それぞれの言い方をしたときの感覚を比べてみてください。絶対的な言い方をやめると、自分自身が楽になるはずです。
あなたの思い込み＝信念、思考、そして言葉が感情と行動を作ります。そして人との相互作用や人生もです。これを理解し、受身の思考がなくなると、選択肢は「復縁するかしないか」だけではなくなるかもしれません。
「絶対に」元の関係に戻る、という呪縛から潜在意識を解放すると、相手と自分のさまざまな面、さまざまな可能性が見えるようになるからです。
もしかしたら、友達として付き合える存在だと気づくかもしれません。知らなかった相手の願いをあらたに見つけるかもしれません。自分のなかの簡単に変えられる部分にも気づくかもしれません。
まとめ
人間関係に正解はありませんが、より心地良い関係を築きたいという願いは誰もが持っています。それを構築するために、潜在意識の特性をぜひヒントにしてください。
