精神的な弱さからあと一歩が踏み出せず、やりたいことができなかった、緊張から大事なときにミスをしてしまった、そういった体験は誰にでもあるものです。
そんなとき、もっと精神的に強くなりたいと思ったことがある人も多いのではないでしょうか。
昔のスポ根ものや学生スポーツなどでは、過酷なトレーニングなどで精神的に追い込むことで精神的に強くなると信じられてきました。
確かに筋トレと同様にメンタルも適度な負荷をかけることで脳の神経経路が強化されるという効果を期待することができます。
しかし、オーバーワークが怪我の原因になる様に、精神に負荷をかけ続けることはうつ病などの精神疾患の原因になる恐れもあり、あまりお勧めできません。
今回は、無理のない範囲で、日常生活に取り入れ、強いメンタルを手にする方法をご紹介します。
最初に
メンタルトレーニングをする前に自分の状態を確認することが大事です。良い状態で行わないと効果も半減してしまいます。
十分な休養・睡眠がとれているか
体が疲れた状態ではやる気も出ないし、十分なトレーニングは行えません。
身体的に健康な生活が送れているか
生活習慣や病気などで健康状態が悪い場合、やはり十分なトレーニングは行えません。
バランスの良い食生活ができているか
体や脳に栄養が足りていない状態では効果は得られないでしょう。
潜在意識
行動するとき、今考えていること(顕在意識)から判断していると考えがちですが、実は行動や意志決定には潜在意識が大きく影響しています。
そのため、潜在意識下に肯定的なイメージが多く蓄積されていれば、よりポジティブな意思決定・行動をとりやすくなり、逆に否定的なイメージが多ければネガティブな意思決定・行動をとりやすくなります。
潜在意識に肯定的なイメージを蓄積する方法には以下の様なものがあります。
反復練習
良いイメージを潜在意識に取り込むには何度も繰り返すことが重要です。
スポーツ選手の素振りなどはこれにあたると言えるでしょう。
イメージトレーニング
実際の体験だけでなく、イメージした仮想体験であっても潜在意識に取り込むことができます。
成功のイメージを繰り返すことで肯定的な記憶回路を作ることができます。
プラス思考
脳の働きを活性化させる重要なポイントとして「プラス思考」があります。
何かを行うとき「できないかもしれない」と考えるより「できるにちがいない」と肯定的なイメージを持って行動することです。
これによってドーパミンの分泌を促し、よりポジティブに行動することができます。
日常的に意識して前向きに考えることを心掛けましょう。
ネガティブ発想を捨てる
大事な局面に限っていつもできることがいつもどおりできなかったりします。これはそのときの感情や精神状態によって潜在意識の働き方が左右されるためです。
「失敗するかも」といったネガティブな思考を感じてしまったときは、その思考自体にストップをかける様にしましょう。ネガティブな発想を捨てることができれば、プラス思考への切り替えができる様になります。
また、マイナスの結果についておおらかに考えることも大切です。
完璧な結果を求めてしまうと、失敗したときに否定的イメージが潜在意識に残ることになります。
「誰にでも失敗はある」と割り切ることも必要です。
弱点を克服する
自分に不足している要素を知り、それを克服することでメンタルを強化することができます。
弱点を克服するステップは以下の通りです。
- 自分に不足している要素(弱点)を知る
- 弱点をプラスの言葉に言い換える
- その言葉を目に見えるところに置き、改善を意識する
- 進捗を記録し、定期的に進歩を確認する
これを繰り返すことで弱点を克服することができるでしょう。
自己暗示をかける
本番に弱いタイプの人は、物事を悪い方に考える癖がついていて、なかなかプラス思考への転換が難しいものです。
マイナス思考からプラス思考へ切り替えるのに有効な方法として「自己暗示」があります。自己暗示をかける簡単で有効な方法に言葉による自己暗示「言語暗示」があります。
行動する前に肯定的、積極的な言葉を口に出す、という簡単な方法です。
心の中で呟いてみるだけでも十分効果があります。
脳の力を鍛える
脳の力を高める方法として以下の様なものがあります。
セルフコントロール(気持ちの切り替え)
イメージトレーニングはリラックスしているときに行った方が効果が上がります。
意識してリラックスできる様になれば、思考や感情をコントロールしやすくなります。
集中力を高める
人間の集中力はずっとは続かないため、大事なときに集中力を発揮するには集中力をコントロールする必要があります。
スポーツ選手などがいわゆる「ルーティーン」によって集中力のスイッチを入れたりするのがこれにあたります。
逆に大事なときに普段と違うことをすると集中力が乱され、失敗しやすくなってしまいます。
過去の失敗を引きずらない
アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏はこのような言葉を残しています。過去ばかり振り向いていたのではダメだ。
自分がこれまで何をして、これまでに誰だったのかを受け止めた上で、それを捨てればいい。失敗した経験はしっかりと受け止めつつ、あとには引きずらないことも重要です。
最後に、やりすぎは禁物ということを覚えておいてください。無理のない範囲で、日常生活に取り入れ、強いメンタルを手にいれましょう。