あなたは催眠術にかかったことはありますか?あるいは催眠術にかかっている人を見たことはあるでしょうか?
おそらく多くの人はテレビ番組などを見て催眠術の存在を知ったケースが多いかと思います。
見るからに外見が怪しいおじさんが出てきて、リアクションの良いタレントさんを椅子に座らせて、片手で目を塞いで頭をゆらゆらさせて・・・なんてシーンはお決まりですよね。
催眠をかけられたタレントさんはその後、言葉をしゃべれなくなったり、握った手を開けなくなったり、あるいは犬や猫に擬態させられたりします。
・・・果たしてあれは本当なのでしょうか?どうせテレビのやらせでしょ?なんて思っている方もきっと多いはずです。
しかし実は、そう簡単に「やらせだ」「嘘だ」「催眠術なんてかかるやつはいない」とは言い切れないのです。それだけでなく、日本では催眠術のことを誤解している人が多くいます。
ですので今回は「本当に催眠術の効果はあるのか?」という、意外と誰も教えてくれない催眠術の真実をお伝えしていきたいと思います。
催眠術が怪しく見えるのはテレビ番組のせいだった
よくも悪くもテレビの影響というのは大きいものです。
一度テレビによって印象やイメージがつくられてしまえば、簡単にはそのイメージを払拭することはできません。
そういう意味で催眠術というのは、テレビの演出によって「怪しいイメージ」がつくられてしまった代表例とも言えます。
実際に催眠術に関してよくこういう誤解があります。「魔術とか霊能力みたいな超常現象の類だ」というものです。
ヤフーの知恵袋とかを調べてもわかるのですが、超常現象や占いなどのカテゴリーで催眠術についての質問が数多くあります。それだけ事実とは懸け離れた誤解が世間に浸透しているということです。
でも、催眠術はそういう魔術や霊能力のことはありません。あくまでも、人間の意識の仕組みや構造を利用したテクニックなんです。
私たちがテレビで見る催眠術は、「催眠術」という大きなカテゴリーのほんの一部にすぎません。あれは、催眠術をテレビ用に面白おかしく見せるための演出であり、催眠術の正しい姿ではないのです。
催眠術は、医療や臨床心理の現場で使われるれっきとしたツール
ではそもそも催眠術はどういう風に使われてきたのでしょうか?
実は、催眠術はもう何十年も前から、医療や臨床心理の現場で活用されているのです。
その証拠に、内閣所管の日本学術会議の、登録団体として「日本臨床催眠学会」や「日本催眠医学心理学会」といった組織まであります。
そもそもテレビで面白可笑しく取り合げられるようなものではなかったのです。
だからこそ催眠術の説明というのは、全部説明しようとすると物凄く難しい話になってしまうのですが、、、簡単に言えば、人間がもっている「二つの意識」を利用した技術です。
「顕在意識」と「潜在意識」。人間の意識というのはこの二重構造でできているんです。
自分で認識、理解できている活動は「顕在意識」の中にあります。
そしてそれよりも深い部分で、顕在意識を支えてるものが「潜在意識」と言うのです。寝ている時に活動してる意識なんかがそうですね。寝返りをしようとしてるする人はいないはずです。
で、普通は人間が情報を受け取る時、かならず顕在意識というフィルターを通過するものなんです。自分で歯磨きをしようと思ってしますし、自分でスマホを使おうと思って、わかっていて行動しています。
ただし催眠は違います。
顕在意識を通過せず、術者が直接、潜在意識に働きかけを行うのです。
相手の脳がリラックスしている時ほど潜在意識へのアプローチは簡単になります。術者による暗示が受け入れやすくなるのです。
そういう状態で行動を促されるので、自分の意思とは関係ないことを強制的にさせることができたり、自分ではできると思ってもみなかったようなことができるようになります。
精神疾患や心身症等を含む臨床心理の世界で、催眠術の効果が活用されてきたのも納得ですよね。
お手軽な自己催眠で人生を思い通りに!?
催眠の本質は自己暗示です。これもテレビの影響ですが、催眠術はあたかもかける方に物凄い特別な力があるように見えますが、実際はそういうことではありません。
催眠術師はあくまで行動のきっかけを与えるだけ。つまり相手が自己暗示をしやすい状況を作り上げて、そこに誘導しているだけなのです。
だからこそ「自己催眠」という言葉があるわけです。コントロール権はあくまでかけられる側にあるということを上手く活用した、術師いらずの方法が「自己催眠術」です。
自己催眠は、自らの手で潜在意識に直接働きかけて、抱えている問題を改善できる方法として昔から注目されています。
例えば、、、
- 今まで怖くてできなかったことができるようになったり
- 壊れていた人間関係が改善されたり
- どうやってもやめられない悪習慣を直したり
- 荒れている精神状態を平常に戻したり
こういった効能を生かして、ストレス解消や学力の向上、ダイエットや恐怖症の克服など、あらゆる病気の治療や自己成長の手段として、今も使われ続けているのです。
日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、欧米では大学で催眠術の授業なんかもあります。国が公認の催眠療法セラピスト、医師までいたりするのです。
どれだけ普段私たちが催眠術について歪んだ認識をもっているかがわかりますよね。
まとめ
というわけで、催眠術というのは決して怪しいものでもなければ、効果がないものでもありません。
しっかりと確立された学問であると同時に、医療業界や臨床心理の分野においてかなり強力なツールとして使われ続けています。
これからもテレビは面白おかしく催眠術を企画として取り上げていくとおもいますが、ぜひこれを機会に正しい催眠術の知識を覚えておいてくださいね!