みなさんは、インナーチャイルドという言葉を聞いたことがありますか?
インナーチャイルドとは「内なる子供」という日本語訳がありますが、みなさん誰もが心に持っている「子供の時の記憶や感情」のことを言います。
インナーチャイルドを癒やすというのはどういうことか?
このインナーチャイルドは、人によって程度の差がありますが、誰もが傷つきをもっています。その傷つきの主なものは次のようなものです。
親または自分を育て、教育してくれた人から受けた「~してはいけない」という命令を堅く守り続けていること。
理由)親または自分を育て、教育してくれた人に嫌われることを恐れるあまり、自分でも納得していない命令をそのまま受け入れて育つため。
症状)本人は自覚がなくて、無意識に行動や判断に制限がかかり、自分では理由がわからないまま、生きていることがつらいと感じる状態となる。
例)小さいときに、男なのだから、転んでいたくても痛いと言ってはいけないと言われ、痛くても泣きたくても我慢しなければならないと教えられる。
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大人になり、仕事や家庭において、つらい時、苦しい時に、助けを求められなくなる。
泣いている人や困っている人に対して、いらいらして声をかけることができない。
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何かをすることで、自分が楽になることはわかっていても、自分自身に制限をかけて行動することができない。
人に対しても、何かをしてあげなければという気持ちがあってもそれができない。
このような状態を続けていると、どんなことが起こるのでしょうか?
①緊張が常に続き、休みをとっていても疲れがとれない
②なぜか常にいらいらしている
③漠然としたお金の心配がつきない
④感情の浮き沈みがはげしく、安定しない
⑤他の人の目が気になり、いつも自分が責められているような気持ちがする
⑥満たされているという感情がないので、常に何かを求めている
⑦理由はわからないが、生きるのがつらいと感じる
なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
小さいことのことは、昔のことだから、今とは関係がないと思いがちです。
しかしながら、今は必ず過去とつながっています。子供のころに、傷ついた感情は、無意識のうちに自分の潜在意識に植えつけられ、それが後になって、感情に影響を及ぼすのです。
たとえば、小さいころ、楽しく騒いでいるところを、「静かにしなさい、おとなしくしなさい」と言われたとします。
楽しく騒いでいた自分をとがめられることで、感情が傷つき、潜在意識の中に、うるさくするのはいけないこと、楽しく騒ぐのは悪いことという意識を植えつけられてしまったとします。
そうなると、大人になったとき、騒いでいる子供や、楽しくはしゃいでいる人を見ると、いらいらしてしまいます。これは、傷ついたインナーチャイルドがいらいらしているのです。
また、同じように「おまえは何をやってもだめなんだ」「本当に役に立たないんだ」と言われ続けたとします。
そこで、感情が傷つき、自分は何をやってもだめな人間なんだと思うようになり、何かをするときに、いつも自信が持てない、常に自分への評価が低い大人になってしまいます。
自己評価が低いので、他人からの目が気になり、疲れがとれず、いくら休んでもだるい。そして、外に外出できなくなる、また、自分はだめな人間なんだと思うという負の連鎖が始まります。
こんなことが続けば、人生は常につらく、前向きに頑張ろうという気持ちにはなれません。
幸せになろうという気持ちになれないという状態が続き、それは、自分の人生だから仕方がないのだというあきらめの気持ちになってしまいます。
そうならないために、一度傷ついたインナーチャイルドを今から癒やすことができればいいのです。そのためには、この傷ついた子供の頃の感情を癒やせばいいのです。
これをすることで、自分が自分に持っている自分自身のイメージを書き換えることができます。何の価値もない、何をやってもだめな自分、自分自身に制限ばかりを与えていた自分のイメージを書き換えるのです。
今このままの自分自身でいいんだ、自分は生きる価値があるんだ、素晴らしい人生を送る価値があるのだと、自分自身を受け入れるのです。
実際にはどのようにしたらいいのでしょうか?
子供の頃に受けた傷を癒やしていきます。
①自分のために、癒やす時間を意識して設定します。
②目をつぶり、目の前に子供の頃の自分を登場させます。どの年齢でもかまいません。自分でこれだと思う年齢の自分をイメージします。
③その自分が、大人になった自分に会いに来たと想像してください、そして、話しかけます。「どうしたの?」「何を考えているの?」「何でもいいから話してみて」と、優しく話しかけます。
ここで、その自分の話を最後まで聞きます。注意することは、大人としての自分の意見は言ってはいけません。あくまでも、じっくりと聞きます。
④ただ話をきき、「そうだったんだね」と声をかけます。
⑤深呼吸をして、大人になった自分が、子供の頃の自分の話を聞いて、そのこの話をすべて受け入れます。「つらかったね」「我慢したね」とその子を抱きしめてあげます。
これを、自分の問題が解決されたと思うまで続けます。内容は、そのときによって変えていきます。自分のうちに秘められている感情を引き出して、それを認めていく。
それをすることで、自分の傷を治し、自分自身を認めることができるようになります。
多くの人が自分自身を愛することができず、幸せを感じていません。インナーチャイルドを癒やすことで、より自分を愛せるようになります。時間をとってやってみましょう。