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ストレスマネジメントに効果的な心理学「ホメオスタシス」の活用法

ストレスマネジメントに効果的な心理学「ホメオスタシス」の活用法

「病は気から」ということわざがありますが、近年では実感を持ってこの言葉を見聞きする機会が増えたように思います。

うつ病やパニック障害、PTSDといった心の病の名前を耳にすることが増え、不眠症や脱毛症、胃炎や頭痛と言った体の病にも、心の状態が深く関与することがわかってきました。

これらの病を引き起こす直接の原因は、ストレスによる心のバランスの乱れと言われ、さまざまなところでストレスマネジメントの重要性がうたわれるようになりました。 

そこで今回は、人間に生まれつき備わっている、心身のバランスを保つ機能「ホメオスタシス」に着目し、心と体の病を未然に食い止めるストレスマネジメントの方法をご紹介します。

 

生物学の世界のホメオスタシス 

変温動物、という言葉を耳にしたことはありますか? カエルなどの両生類やヘビなどの爬虫類、サメなどの魚類は一般に、気温や水温といった外界の温度に合わせて自らの体温も上下してしまう性質をもっています。

このような動物は変温動物と呼ばれ、自らの力で体温調節ができないため、体力を温存できる代わりに、特定の温度の場所でしか活動できないというデメリットをもちます。

一方、私たち人間などの哺乳類や鳥類は恒温動物と呼ばれ、外界の温度に関係なく自らの体温を一定に保つ性質(恒温性=恒常的な体温を維持する性質)を持っています。

このような動物は恒温動物と呼ばれ、自らの力で自分が最も活動しやすい体温を維持することができるため、変温動物に比べて幅広い環境で生き抜くことができる反面、常に体温を一定に保つためのエネルギーを消費しているので、その分多くの食料を必要とするという特徴があります。

このように、自らの体温や胃酸の酸性度、血圧などを一定に保つ性質は、19世紀半ばにフランスの生理学者クロード・ベルナールによって発見され、20世紀前半にアメリカの生理学者ウォルター・B・キャノンによって「ホメオスタシス(恒常性)」と命名されました。

本来ホメオスタシスは、神経系や内分泌系、免疫系が、自らの状態を常に一定に保とうとする性質のことを指し、たとえばケガをした体を元に戻そうとするのも、病原体の入り込んだ体から病原体を追い出そうとするのも、ホメオスタシスの働きです。

風邪をひくと熱が出ますが、これは多くの病原体が熱に弱いことを利用し、一時的に体温を上げることで病原体を退治し、元の健康な体に戻ろうとしているのです。

 

心理学の世界のホメオスタシス

その後ホメオスタシスは心理学の世界にも持ち込まれ、主に人間のストレス反応の起こるメカニズムとして理解されるようになりました。

神経系や内分泌系、免疫系は、人間の脳の働きと密接に結びついています。すなわち、人間の脳の働きの一部である心の働きも、ホメオスタシスによって、常に一定の状態を保つよう設計されています

このホメオスタシスの働きにより、私たちは日常生活におけるさまざまなストレス、たとえば頼んだランチに嫌いな野菜ばかりが入っていた、予想より低い点数のテストが返ってきたなどの不快な出来事を経験しても、しばらくすると不快な気持ちは消え去り、元通りの生活が送れるようになるのです。

ところが、あまりにも強すぎるストレスを受けたり、弱いストレスであっても慢性的にストレスを受け続けたりすると、ホメオスタシスの復元能力を上回るダメージが、心、すなわち脳に与えられます。

具体的には親しい人との死別や自然災害、あるいは継続的な仕事や人間関係のストレスなどが考えられますが、このようなホメオスタシスの復元能力を上回るストレスが与えられると、心の復元が間に合わず、心を形作っている神経系や内分泌系、免疫系のバランスが崩れ、さまざまな心の病や体の病を引き起こします(ストレス反応)

ストレス反応によって引き起こされた病はストレス関連疾患と呼ばれ、その患者数の多さから、現代の代表的な社会問題のひとつにもなっています。

 

ストレスマネジメント法1:ストレスを感じたらこまめに休憩を

ホメオスタシスの崩壊過程には、ある程度のパターンがあると考えられています。まず、ストレスが加わった直後は「警告反応期」と呼ばれ、加わったストレスにより一時的に心身の状態が悪化します

同時に心身の状態を一定に保とうとするホメオスタシスも働き始めますが、この時ホメオスタシスの復元能力を上回るあまりに大きなストレスを受けると、一瞬でホメオスタシスは機能不全に陥り、急性ストレス障害を発症、さまざまなストレス関連疾患に発展する可能性が生じます。

そうなると専門家の領域になりますので、速やかに医療機関などを受診しましょう。

そこまでのストレスではない場合でも、油断は禁物です。特に慢性的なストレスの場合、たとえひとつひとつは小さなストレスであっても積み重なればホメオスタシスを狂わせる可能性があります。ストレスが加わったら、あまり深刻化しないうちに、ストレスを解消しておくことが大切です。

ストレス解消法にはこれといった正解はありません。スポーツをして気が紛れるならスポーツを、音楽を聴いて気が休まるなら音楽を。自分がもっともリラックスできる手段を選べばよく、まとまった時間を作る必要もありません。

仕事の休憩時間にほんの少し、好きなアイドルの写真を見ることも有効です。ホメオスタシスが機能不全に陥るほどではないけれど、小さいとも言い切れないストレスの場合、スポーツなどの能動性の高いストレス解消法は、逆にストレスをためてしまう場合もあります。

その場合は早めの睡眠や信頼できる人との何気ない会話など、心穏やかに過ごせるストレス解消法を選んでください。

 

ストレスマネジメント法2:まだいけそうな気がするときにも休憩を 

警告反応期を抜けると、「抵抗期」が始まります。抵抗期とは、ストレスにそれなりに慣れてきた頃のことで、ストレスが加わる前の精神状態に戻ろうとするホメオスタシスがフルに働くことにより、ストレスに対するそれなりの抵抗力ができてくる時期に当たります。

したがって、ストレスが加わる前より強いストレスにさらされているにもかかわらず、心身の状態は、ストレスが加わっていなかった時の穏やかな状態、すなわち日常に近づいていきます。そのため警告反応期に比べると、苦痛のない時期になることがほとんどです。

ホメオスタシスとは心身の状態を一定に保とうとする働き、すなわち、どのようなストレスがかかっても心身の状態が乱れないように調整する働きのことです。

つまり、ストレスが日常の一部になり、服を着ることや靴を履くことと同じく、あたりまえのことになってしまえば、かつて自力で服を着る習慣のなかった幼児が、ストレスを感じながらも自力で服を着るようしつけられ、そのうち自力で服を着ることがあたりまえになるように、ストレスを感じなくなっていきます。

こうしてストレスがうまく日常化されれば、次からは同じレベルのストレスに襲われても、特に心身に負担を感じることなくやり過ごすことができるようになります。

しかし、ストレス社会と言われる現代社会で人々に降りかかるストレスは、慣れてしまえばどうにかなるレベルではない場合もままあります。

心身ともにギリギリの状態まで追いつめられることも珍しくはありません。そこで警告反応期を抜け、ストレスに慣れてくるこの時期にも、こまめにストレスを解消しておくことが重要になります。

この時期のストレス解消も、基本的には警告反応期と変わらず、自分がもっともくつろげるもの、もっとも気が晴れるものを選べばよいでしょう。

しかし、ストレスに慣れてきたからと、つい無理をしがちになるのもこの時期です。まだいけそうだと思っても、睡眠や食事を過度に削ることは禁物です。自分が思っているよりはストレスがかかっているものと想定して、スポーツや夜更かしなど、心身に負担のかかるストレス解消法は腹八分目に抑えましょう

 

ストレスマネジメント法3:疲労を感じてきたら、休息を最優先に

抵抗期にストレスが日常化できなかった場合や、うまくストレス解消ができなかった場合、そもそも日常化したり解消したりできるレベルのストレスではなかった場合には、「疲憊期」に陥ります。

疲憊とは、すっかり疲れ切ってしまうこと、疲労困憊してしまうことを言いますが、その名の通り、積み重なったストレスが、ついにホメオスタシスの復元力を上回り、それまでは保てていたはずのストレスへの抵抗力を保てなくなる時期にあたります。

張りつめた糸が切れるように、仕事の繁忙期を抜けると急に疲労感に襲われたというような状況や、身内の不幸など大きなストレスが加わった時、直後にはそれなりにてきぱきと動けたものの、こまごまとした処理がひととおり片付いた後、どっと疲れや悲しみが押し寄せてくるといったような状況がこれに当たります。

力をほとんど使い果たしているこの時期には、ホメオスタシスもほぼ機能を停止しています。一方、抵抗期に知らず知らず無理を重ねていた分、時間差でこれまでに蓄積されていた疲労が一気に表面化してきます。

すると、心身の状態は再び悪化、さまざまなストレス関連疾患を発症するリスクが高まってきます。これまでと同じだけのストレスに、弱った体で同じように耐え続けることは不可能です。

この時期に不可欠なことは、意識的に休息をとることです。すでに仕事や日常生活などに疲労の影響が出始めているはずですから、思い切って少しまとまった時間を取り、いつもより長めの睡眠と、栄養バランスのよい食事をとって、心身にこれ以上の負荷をかけないような生活に努め、心身の回復に専念することが重要です。

しかし、何か大きなプロジェクトの途中で疲憊期に突入してしまうなど、いくら疲れていても、まとまった休息を取れないこともあるでしょう。このような場合には、15分刻みでもよいので、こまめな睡眠を心掛けてください。

人間の脳に送られる情報のうち、8割は視覚からくるものと言われています。眠ることができなくても、目を閉じて視覚を遮断するだけで、いくらか脳の負担は軽減できます。

睡眠不足が続くとイライラや不快感が募り、人間関係にも影響が出ます。入浴は疲労回復によいと言われますが、それでも睡眠に勝るものではありません。

食事の量と回数が多少減っても、人間の体はそれなりに持ちこたえることができます。あまりにも疲労が酷い時には、入浴や食事より、まずは睡眠を優先させることが大切です。

 

まとめ

いかがでしたか?

現代人にストレスはつきものです。それえに、力を使い果たしてしまうまえに、こまめなメンテナンスを行って、疲憊期に陥らないようにする必要があります。まだ十分な余力のあるうちに、意識してストレス解消を心掛けましょう。

 



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