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本当の自分が出せない「恥ずかしがり屋さん」の心理

本当の自分が出せない「恥ずかしがり屋さん」の心理

皆さんの周りに「恥ずかしがり屋」はいませんか?もしかしたら、あなた自身が恥ずかしがり屋かもしれませんね。

ハーバード大学の心理学者がこんな事を言いました。

「世界で最も恥ずかしがり屋な子どもは日本人だ」 

確かにその通りです。日本人は「恥ずかしい」と言う言葉を多用します。

日本人に「英語を話せますか?」と聞くと、ある程度の英語力のある人は「まぁ、少しなら・・・」と答えます。

しかし、英語力が無い人で「ハロー・サンキュー」ぐらいなら知っているという人は必ず「全く喋れない」と言います。

では、アメリカ人に「日本語を喋れますか?」と聞くと、「Yes! テンプラ!」などと言います。

まったく会話にはなりませんが、日本語を確かに喋っています。

一方、日本語で会話ができるようになった海外の人は先程の問いに「ハイ。スコシダケ・・・」と答えます。これは恥ずかしさではなく、「謙虚」が日本の文化だと思っているからです。

ここで、「謙虚」と「恥ずかしさ」の違いが曖昧になってしまいました。

  • 母国語が英語の方に対して、この程度の英語力で喋れると言うのはおこがましい。
  • 「喋れる」と答えて、聞き取れなかったり、聞きとってもらえなかったら恥ずかしい。

皆さんはどちらでしょうか?

恐らく、ほとんどの方が後者ではないですか?

もっと身近な所ではカラオケの1番手・・・

  • 私なんかが1番最初に歌うのはおこがましくて断る。
  • 一番最初に歌うのは恥ずかしいし、選んだ曲がウケないかもしれないから断る。
  • 一曲目でノリが悪くなってしまうと嫌だから断る。

1は謙虚

2、3は「恥ずかしい」です。

3は違うだろ!と思われた方もいますか?

実はこれも「恥ずかしい」の表れです。

では、そもそも「恥ずかしい」とはどんな心理なのでしょうか?

 

「恥ずかしい」の心理

「恥ずかしい」という心理には大きく分けて4つの恐怖心理が存在しています。

  • 失敗への恐怖
  • 他人の評価に対する恐怖
  • 断られることへの恐怖
  • 親密になることへの恐怖

そして、これらに対し「自己嫌悪」と「禁止」が働く事で「恥ずかしい」と思うのです。例えば、先程のカラオケの「3」は「失敗への恐怖」と「他人の評価に対する恐怖」です。

「一曲目でノリが悪くなってしまうと嫌だから断る。」

  • ノリが悪くなる選曲をするという失敗
  • ノリの悪くなる選曲をした自分に友人がどのような評価をするのか

これにより、自分に「一曲目を自分が始めない」という「禁止」を与えることで、「断る」という行為にでます。

更に、過去にその経験をしたことがあるのなら、「以前にノリが悪くなる選曲をしてしまった」事に対し「自己嫌悪」が表れ、「断る」という行為にでます。

もう少し簡単にしてみます。

好きな女性を食事に誘う時は何を考えていますか?

ズバリ「断られたらどうしよう」という思いがあると思います。

「断られたらどうしよう」→「断られたら嫌だ」(恐怖)+「禁止」=「誘わない」

これも「恥ずかしい」という心理効果の表れです。

ここまでの説明で、素直な方なら理解できたと思います。しかし、まだイマイチな方は、こう考えてみて下さい。

居酒屋では大声で談笑するのに、高級レストランでは上品に振る舞う。

これは、静かな高級レストランで大声の談笑は「恥ずかしい」からですよね?

では、これも心理学的に分析しましょう。

高級レストランで大声で談笑するのは・・・

  • 他の客にうるさいと思われる
  • 店の人にうるさいと思われる
  • 周囲の人に常識がないと思われる

などの「他人の評価に対する恐怖」から自分自身に「大声での談笑を禁止」しているのはないですか?

しかし、そのように分析しなければ、「恥ずかしい」と思っているだけですよね?皆さんの理解が深まったとおもいますので、次に進みます。

 

「恥ずかしがり屋」の心理とは?

本題です。「恥ずかしがり屋」とは先に説明した「恥ずかしいと思う心理」がより強くなっている人です。

もっと詳細に説明をするならば「自己嫌悪」の強い人です。

俗に「恥ずかしがり屋」と思われる人は常に「自己嫌悪」が顕在している為、先の4つの恐怖が脳裏に浮かんだ時点で、「恐怖」+「自己嫌悪」が直ぐに成立してしまいます。

その為、「恥ずかしい」と思う事が人より多くなってしまいます。

つまり「人より恥ずかしいと思う頻度が多い」=「恥ずかしがり屋」です。

では「自己嫌悪」とは一体なんなのか?

それは、人様々ですが、先程のカラオケの例で挙げた「過去の経験」や「コンプレックス」が多く関係しています。

「過去の経験」については割愛しますが、「コンプレックス」からの「恥ずかしい」という心理効果について説明します。

例えば「身長が低い」というコンプレックスの人・・・

「高い場所にある物を取れなくて困っている人を助けられない。」

  • 助けてあげて、「取れなかった」という失敗が怖い
  • 取れなかった時に「こいつ身長低いのに・・・」と評価されるのが怖い
  • 「助けます」と言っても身長が低い自分では断られるだろうから怖い

つまり「恥ずかしがり屋」の心理は常に「自己嫌悪」を持ち続けている心理と言えます。では「過去の経験」や「コンプレックス」が無い人は「恥ずかしがり屋」では無いのでしょうか?

必ずしも「恥ずかしがり屋」が「過去の経験」や「コンプレックス」で「恥ずかしい」と思っているわけではありません。

精神の病気で神経症というのがあります。

皆さんの周りにもいませんか?

  • 人一倍気を使う人
  • いつも周囲の目を気にしている人
  • 常に笑顔で誰からも嫌われない人
  • 皆と打ち解けている気がするが、一線を置いている人

こういった人たちの中にも「恥ずかしがり屋」が多く存在します。これは主に、「他人の評価に対する恐怖」と「親密になる恐怖」が強い人に多く見られます。

この様な人たちは常に・・・

  • 嫌われたくない
  • あの人はなんで私を見ているの?
  • 皆に「良い人」と思ってもらいたい
  • 親しくなりすぎると本性がバレるかもしれない

等と言うことを思っています。

そして、何か行動を起こす時にはこれらの思考が最優先で駆け巡り、答えが出る前に行動を起こす機を失ってしまい、結局、行動にでられないまま終わる。

というパターンにはまってしまいます。

その代わり、過去に「他人から感謝された」「他人に喜んでもらえた」などの経験のある行動は自発的に行う傾向にあります。

どうでしょう?「恥ずかしがり屋」の心理状態は理解していただけたでしょうか?

 

まとめ

「恥ずかしがり屋」の心理はご理解いただけたかと思います。

「恥ずかしい」という心理が「恐怖」+「自己嫌悪」や「禁止」である事もご理解いただけたと思います。

つまり「恥ずかしがり屋」の根底にあるのは「自己嫌悪」や「恐怖」なので、それを無理に覆そうとすると、覆した人物が「恐怖」の対象になることもあります。

するとその人物に対し「恐怖」があるため、その人との関わりが常に恥ずかしくなり、行動を共にしようとしなくなります。

そういった部分も理解して接すること、そして「恥ずかしがり屋」の人はその「自己嫌悪」や「禁止」をしっかり分析して対処することも必要ではないでしょうか。

 



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